設立年
1927年
創設者
サルヴァトーレ・フェラガモ
地域・国
イタリア
概要
サルヴァトーレ・フェラガモはイタリア南部の生まれで、11才の時に自宅で靴屋を開業するほどの早熟な少年で、15才でアメリカでカウボーイブーツの工場で働いていた兄弟がいるボストンに渡航。
その後、カリフォルニアにうつって、1919年にサンタバーバラで靴の修理とオーダーメイドを手がける店をオープンし成功を収めます。そして、23年にはハリウッドに「ハリウッドブーツショップ」を開業し、映画の衣装としての靴を作ったり、ハリウッドの俳優たちを顧客にして「スターの靴職人」として名声を高めていきます。
1925年には人体解剖学を学んだサルヴァトーレは体重は土踏まずのアーチに垂直にかかる、という事実を発見し、それを利用し画期的な靴型を開発。さらに知名度を高め、また靴職人としての実力を高めていきます。
そして、1927年。13年住んだアメリカを離れ、イタリア・フィレンツェで「サルヴァトーレ・フェラガモ」を開業。トスカーナの靴職人60人があつまって、靴製作を手作業で行っていく体制を整えます。
しかし、1933年。折からの世界大恐慌のあおりを受けて倒産。危機を迎えますが、これまでの実績、知名度が功を奏し、イランの王侯やインドの貴族、有名人などの顧客を獲得して復興します。
その後はウェッジソールを発明したり、エジプトのサンダルにインスパイアされたサンダルを発売するなど、順調に社業を発展させます。
第二次大戦中は、厳しい状況にもかかわらずセロファンやコルクといった新しい素材を使った靴を積極的に試して、新しいトレンドを生み出します。
戦後は再び飛躍期を迎えて、靴の製造はもちろん、バッグの製作を行ったり、ストラップ付きのバレリーナシューズ（私達が現在、バレーシューズと言われて頭に思い浮かべる形）をオードリー・ヘップバーンのために創作するなど、その創作力は衰えること無く、サルヴァトーレは1960年に死去するまで第一線で活躍しました。
その後も、娘のフィアンマも父と同じ道を歩き、評価されるなど、サルヴァトーレ・フェラガモの地位は揺らぐことがありませんでした。
紳士ものの展開を始めたのは1970年からで、80年代にサルヴァトーレ次男のレオナルドの手によって大きな成長を見せます。日本では、80年代後半から90年代初頭のバブルの頃にフェラガモと言えば、バブル紳士淑女御用達のブランドとして、人々の脳裏に強く焼き付くようになりました。
現在のフェラガモは、靴を中心にバッグ、財布、ベルトなどの革小物、スカーフ、ジュエリー、時計、サングラス、香水などなど多くのファッションブランドにラインナップを広げています。
フェラガモと言えば、多くの有名人を顧客に抱えていることでも知られ、特にハリウッドのかつての映画俳優達、イングリッド・バーグマン、マリリン・モンロー、オードリー・ヘップバーン、ソフィア・ローレン、マレーネ・ディートリッヒ、ジュディ・ガーランド、キャサリン・ヘップバーン、グレタ・ガルボ、グロリア・スワンソン、リタ・ヘイワース、エヴァ・ガードナー、ゲイリー・クーパー、ローレン・パコール、などが知られます。
また、ヨーロッパの有名ブランドは多くがLVMHやリシュモンなどのブランドグループの傘下の入る中、現在でも創業者一族の手によって経営されている点でもちょっとめずらしい存在です。
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